コラム

2017.07.10 配信

[otocolumn-03]クラシックが始まると、とにかくダービーだけは参加しないといけない気持ちになる。【藤田伸二の男ラム】カテゴリ:過去インタビュー

男・藤田伸二が直筆で綴る魂のメッセージ!!
藤田伸二の男ラム

otocolumn-03
『クラシックが始まると、とにかくダービーだけは参加しないといけない気持ちになる。』



06年4月の連載開始直後から大反響。
競馬界の“兄貴”だからこそ書ける本音や、
仲間たちとの爆笑エピソードが詰まった
大人気コラムがついに新書化!

(前話はこちらから)

大物新人とホールでの場外対決

 今年のクラシック第一弾“桜花賞”が終わった翌日、競馬で花を咲かすことが出来なかった俺は何を血迷ったか、パチスロで花咲かそうと朝一番から“吉宗”の前に座っていた。

 なかなか出ない台を前に真剣勝負をしていた矢先、この“男”の、いや“勝負師”の肩をチョンと叩いてきた奴がいた。誰やねん! と振り返るとなんと、大物新人ジョッキーの岩田康誠クンじゃないか!
“いや~藤田さんがいつもここで打ってると聞いたもんやから~”と康誠。挨拶もそこそこに済ませ、彼は番長の端台をチョイスしたようだ。数時間後、俺の台の上には2箱ほどのコインの山。“どうや!”とばかりに遠くに居る康誠の方をチラ見した。な、なんと奴はそれ以上の大箱が椅子の横に整列しているではないか! “うっそや~ん”。競馬だけじゃなく、パチスロでも俺の上を行こうと云うのか。

 それを見て、俄然やる気の出た俺は逆転を狙うべく手を動かした。数十分後、俺の台にも大箱が御招待され五分まで持っていき、満足な俺。ここからを差を広げようと組んでた脚も下ろし打ち込む。すると、またもや勝負師の肩をチョンとされた。“やめますわ! お先に失礼します”頭をペコリと康誠。えっ、もう止めんの?と俺。さすがや。賢い。止め時をしっている。しっかりプラスになりご機嫌で去っていった彼の後ろ姿はまさに勝負師やった。対抗意識を燃やし過ぎて、気力もコインも少なくなった俺の前には、康誠が御馳走してくれた缶コーヒーが寂しく置かれていた。

 やはり彼“岩田康誠”は何か良い星を持っているに違いない。競馬もプライベートも好調な大物新人でした。


今村騎手をキレさせた宇田騎手の“蛮行”!?

 またまた後輩の話題になるけど、いつもボロボロの汚れたズボンをはいている“宇田登志夫”クン。好きでそんな格好をしているのかは定かじゃないが、見るに見かねてか少し先輩の“今村康成”クンが、某ブランドのジーンズをプレゼント。後輩思いやがな~。

 今村クンはもちろん普段着としてあげた物だったはずなんだが、なんとウーヤン(宇田騎手)は早速、次の日、調教用に使っていたのだ。

 すでに何頭にも乗り、膝の部分が汚れているジーンズを見たヤスは一瞬沈黙。そしてキレた。“オメーになんて二度と物などやるか!”

 しかし、特に悪びれた様子もなく次の調教に向かうウーヤン。いつも優しく温厚なヤス(今村騎手)をキレさせるのだから、君はかなりの大物か、もしくはアホか? この日から一週間後、もちろんそのジーンズは破れていた。と云うことは、いつものウーヤンに戻っていた、となるわな。ま、使いまくってくれた方がジーンズも幸せって事。ヤスには悪いがプレゼントした相手が一枚上やったな。なんか哀れなヤスでした。

男にとっての“ダービー”

 このコラムを読んでくれている時には日本ダービー前後やと思う。早いもので俺がフサイチコンコルドで制したのは丁度10年前だ。

 当時若かったし、まさか勝てるなんて思ってもみなかったから正直云って記憶が薄いんだ。だから今でも“ダービージョッキー”と呼ばれてもピンとこない。ただ、毎年クラシックが始まると、とにかくダービーだけは参加しないといけない気持ちになる。何故ならどんなレースよりも何かが違うんだ。言葉にするのは難しいけど、週始めからトレセンの様子も違うし、皆ピリピリしてさ。騎乗馬がいなくても何かドキドキするんだよ。だって約8千頭の中の18頭だよ。もちろん騎手も18人。その狭き門に参加できるだけでも光栄な事だし、難しいんだよ。だからテレビじゃなく、競馬場に足を運んでライブで観て欲しいな。毎年何らかの形でドラマもあると思うしね。と云っても俺はまだ騎乗馬が決まっていないし、とにかく出場したいよね。


四位騎手をめぐる“騎手名鑑事件”

 あっそうだ! この前調教スタンドで競馬会の職員さんが四位クンにものすごく平謝りしてたんで何かな~と思い聞くと、競馬場内に騎手名鑑が置いてあるのを知っているだろうか? その今年バージョンで四位クンのプロフィールに誤りが…。なんと身長16センチになっていた。御伽噺の“小人”やん。手の平サイズにされて怒ると思いきや、四位クンは逆に嬉しそうに“ええやん、面白いからこのままにしといてや”と上機嫌。それには職員も苦笑いを浮かべタジタジであった。今後、競馬場に行かれるファンの皆さん、必ずどこかに置いてあるはずやから是非、探してみてください。けど、フィギュアじゃないんやから16センチはないよな。ちょっとウケたよ。まっ、沢山面白い事があるから今回はこれぐらいにしておくよ。って云うか、俺のコラムは原稿用紙5枚と云うことになってるし、ページからハミ出したら怒られるしな。

 じゃ最後に、もうすぐ夏競馬が始まるし、俺もアクセル全開で仕事しなきゃな。なんと云ってもローカル先って云うのは毎年面白い事件や出来事を作ってくれる後輩達が居るから、より一層楽しい記事を書けると思うよ。特に若手の親分“松田大作”クンに期待しよう。

▽[otocolumn-03]『【その後の話】吉宗が復活しても俺の復活はない』は7月13日(木)に更新予定。お楽しみに!


協賛 競馬王編集部

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